【2024年度】第4回上場を目指すための企業成長セミナー「計画性」を開催いたしました!
2024年10月15日、鹿児島中央ビルディングにて第4回セミナー「計画性」が開催されました!
企業を成長に導く事業計画のつくり方
セイドウパートナーズ(株)代表取締役 牛島 亮太氏
第一回のセミナーは、「事業計画の策定」。証券取引所での勤務経験や、上場経験のある、セイドウパートナーズ(株)代表取締役の牛島氏に登壇していただきました。事業計画について、自社の在りたい姿に近づくための位置付けであると牛島氏は語ります。在りたい姿と現状には、幾許かのギャップが存在します。そのギャップを埋める役割を果たすのが、経営戦略です。経営戦略とは、企業の長期的な目標やビジョンを達成するための方向性や大枠の計画を示すものであり、その経営戦略に基づき、企業が具体的にどのように運営されるかを詳細に示したものが事業計画です。
上場にあたっては、有価証券届出書などを中心として、さまざまな資料を作成しなければなりません。事業計画書は、それらの資料のベースとなっていくため、上場の基盤とも言えるでしょう。
前回のセミナーでは、「投資家の視点」について学びました。投資家は事業計画のどのような点を注視しているのでしょうか。牛島氏は、「企業の成長に対するイメージを共有できるよう、その実現・課題解決に向けた具体的施策や、可能な限り進捗を確認できるような定量的な記載をすることが重要。中長期での在りたい姿や目標、それに向けた成長ストーリーに投資家は強い関心を持っている。」と語ります。
そして、上場準備は長期戦であるため、計画性をもって臨むことが大事だとも語ります。
では、事業計画はいつ作成するべきなのでしょうか。
上場に向けて準備を進める中で、上場申請を行う時期のことを「N期」と呼びます。N期の2期前にあたる「N-2期」までに事業計画を作っておくことが望ましいと牛島氏は語ります。先述の通り、事業計画はあらゆるもののベースとなります。本格的な上場準備が始まると、事業計画を1から作成する時間が取れなくなってしまうため、早めに取り掛かっておくことが重要とのことです。比較的時間に余裕のある時期に、事業計画を綿密に練っておくことで、事業成長のスピードアップや予実管理の精度向上が期待できそうです。
牛島氏は「事業計画は成長のシナリオ検証や、社内・社外へのコミュニケーションツールとして、企業経営には欠かせないもの。上場を目指す場合はもちろん、上場を目指さない場合でもぜひ一度作ってみてほしい。」と、事業計画の有効性について述べ、セミナーを締め括られました。
事業計画をPDCAサイクルにのせて業績管理!
有限責任監査法人トーマツ 角田 望氏
第二部は「事業計画に基づく業績管理」と題したワークショップです。
第一部で学んだ事業計画の組み立て方をもとに、実際に自社の現状と照らし合わせていきます。まずは、上場会社の監査やIPO支援に携わられている、有限責任監査法人トーマツ 角田氏による解説からスタート。タイトルにもなった「事業計画に基づく業績管理」とはどのようなものでしょうか?「事業計画とは、事業戦略を「みえる化」したもの。事業計画を策定しただけでは効果が半減してしまう。毎月、PDCAサイクルを回しながら、事業活動の改善や必要によっては企業戦略の見直しを図っていかなければならない」と角田氏は語ります。今回注目されたのは、PDCAサイクルのCheck(分析)とAction(改善)にあたる部分。「今後の事業活動の改善や事業戦略の見直しにつながるような原因分析がタイムリーにできているか」、また、直接改善を図っていくのは従業員であり、「分析結果が現場にタイムリーに戻されているか」「プレイヤー全員と共有できているか」念頭におきながら改善に繋げていくことが重要であると語られました。
それらの基礎知識を得たところで、いよいよワークショップに移ります。「貴社において、今後成長するためには、どのように事業計画の策定や業績管理を行なっていけばよいと考えていますか?」という問いをもとに、グループでディスカッションをしていただきました。
「上場適正度チェックリスト」や「変革の8つのステップ」など、参考書類をもとに自社の現状と未来の展望を照らし合わせていきます。ワークシートとチェックリストを交互に見比べながら、筆を進めていく参加者たち。チェックリストで判断基準が提示されていると、自社の現状もスムーズに思い起こすことができるようです。
そしていよいよグループ内で発表を行っていきます。各グループに上場をサポートする機関のスタッフも参加し、発表は円滑に進みます。
今回のセミナーを通して、皆さん自社の課題点が見つかった様子。特に、PDCAサイクルの軌道にのっていないことを課題点とし、分析や改善についての発表が多くみられました。角田氏が述べた「直接改善を図っていくのは従業員」という部分に着目し、「従業員と管理職の意識のズレを埋めるための施策」や「検証と結果報告の流れを作る」など、具体的な案を発表していただきました。
角田氏は、「今日検討した事業計画の策定や業績管理の改善点について、早速実行して企業成長に役立ててほしい。自分たちだけでは改善が難しいと感じた方は個別支援(成長戦略等策定ゼミ)を活用してほしい。」と語って本日を締め括られました。
第5回上場を目指すための企業成長セミナーは「組織性」
今回のセミナーでは、事業計画の作り方を学びながら、それらをきっかけに自社の体制を見直すことができるセミナーとなりました。
第5回上場を目指すための企業成長セミナー「組織性」もご期待ください。
▼お申し込みはこちらから受け付けています▼
1 日 時
令和6年10月29日(火)15:00~17:00
2 会 場
鹿児島中央ビルディング8F
3内 容
【セミナー】上場に向けたIT統制の整備
【講師】有限責任監査法人トーマツ 田村 充 氏
【ワークショップ】上場に向けた組織作りのポイント
【講師】有限責任監査法人トーマツ 山本 仁 氏