【2024年度】 企業成長促進ハンズオン支援事業 鹿児島IPOプロジェクト成果報告会
2025年3月14日、ホテルレクストン鹿児島にて、企業成長促進ハンズオン支援事業 鹿児島IPOプロジェクト成果報告会が開催されました!

KIP(鹿児島 IPO プロジェクト)は、成長意欲の高い県内企業に対して、株式上場を円滑に進めるためのセミナーや成長戦略を策定するゼミ等を実施し、企業の生産性を高めて付加価値額を向上させ、企業の成長促進を図ることにより、地域経済の好循環を高めることを目的としています。
今年度は、鹿児島県内の株式上場に関心のある中小企業様を対象に、株式上場を円滑に進めるためのセミナー(全6回コース)を実施し、また、特に成長意欲が高い中小企業様を対象に、ニーズにあわせた個別支援(①業績・業務管理支援コース:7社、②成長戦略・計画策定支援コース:3社)を実施してまいりました。
今回は、個別支援を修了した10社の企業様に修了証書授与と成果発表会として取組みの成果を発表していただきました。聴講者には、銀行や証券会社等のサポート機関の皆様をお招きし、発表企業の取組みについて意見等をいただき、株式上場や企業成長に向けた有意義な会となりました。
鹿児島県商工労働水産部 部長 北村 貴志氏よりご挨拶

鹿児島県商工労働水産部 部長 北村 貴志氏が「このプロジェクト参加企業の中から上場企業が生まれ、鹿児島県の経済の牽引役となることを期待するとともに、県としても中小企業の経営基盤の強化に努めるなど企業の稼ぐ力の向上を図ってまいりたい。」と挨拶されました。
成果報告会
株式会社森晴産業 様
「IPOは手段であって目的ではない」 IPOを目指し会社を磨く方法とは

【事業内容】
物流・観光・海外事業やソフトボールチームなど、数多くの事業を手がける森産業グループの中でも、人材派遣を担う株式会社森晴産業様。「人と企業の懸け橋を目指して」をスローガンに掲げ、多様な業種の企業と求職者のマッチングを行なっています。
【自社の課題と本プロジェクトを受けた成果】
「IPOは手段であって目的ではない」という考えのもと、成長のためにIPOがどのような効果をもたらすかリサーチするために参加されました。
今回浮上した3つの課題として、
- ガバナンスの向上
- グループ業績数値の管理・グループシナジーの最大化
- DXによる働き改革や効率化
をあげました。
これらの課題の明瞭化に加え、「IPOを目指すことで会社が磨かれる」と述べられ、プロジェクトに参加する中で、「IPO基準の効率的かつ安心安全な企業体制になっていくことが分かった」と語られました。
株式会社スカイメディケアラボ 様
想いをカタチに IPOで発達支援の輪を広げる

【事業内容】
子供のことばや発達をサポートする療育施設「そらまめキッズ」を運営し、子供の発達支援に携わる株式会社スカイメディケアラボ様。23名の言語聴覚士が在籍し、専門性を強みとしながら、TikTokなどSNSにも力を入れ、発達支援にまつわる広報活動や集客も行なっている企業です。
【自社の課題と本プロジェクトを受けた成果】
渋沢栄一の「論語と算盤」という言葉を例に挙げ、「想いはあるけどカタチ(数字)にならない」「カタチ(数字)になるけど、想いがなかなか乗らない」というどちらか一つに偏ってしまう発達支援の業界について触れ、「想いをカタチにする、気持ちも数字も諦めないどちらも叶える事業者を目指していきたい」と語られました。
また、IPOのメリットはより高いステージに挑戦できること。株式会社スカイメディケアラボの展望として、保育園や療育施設を有し、障がいの有無や年代にとらわれず利用できる複合施設の実現についても述べ、「障がいを持つ人たちが働ける環境、地域の人と交わえる環境・地域社会にしていきたい」と大きな夢を語られました。
ファーマーズサポート株式会社 様
農業の未来に新しい働き方を 世界の農業を支えるためのIPO

【事業内容】
「農業の未来に新しい働き方を」という言葉の通り、畜産を中心とした農業において、ICT・人工知能の力で労働負担の軽減を目指すファーマーズサポート株式会社様。人間の労働負担の削減だけでなく、動物たちの負担も軽減し、効率的かつストレスのない畜産を目指しています。
【自社の課題と本プロジェクトを受けた成果】
本プロジェクトに参加しながら行ってきた事業の取り組みについて語っていただきました。具体的かつ明瞭に自社の強みを語る姿に、IPOを目指す視座の高さがうかがえます。今後の展開として、「九州全体の農業を支える体制を整えてから、九州から全国へ、さらにはグローバルに拡大していきたい」と述べ、世界全体の農業を視野に入れた高い志しを語ってくださいました。プロジェクトに関して、「支援や助言をいただきながら、ステップアップすることができた。今後も更なるステージを目指していきたい。」と語られました。
LR株式会社 様
IPO水準の体制でレベルアップ 成長戦略の道標に

【事業内容】
自治体のふるさと納税のサポートを行うLR株式会社様。ふるさと納税運営に必要なクリエイティブのサポートに加え、コールセンターや受注業務にも取り込んでおり、ふるさと納税にまつわる業務を包括的に支援する企業です。全国各地に22拠点の営業所を構える地域密着型の企業です。
【自社の課題と本プロジェクトを受けた成果】
プロジェクトを通して、
- バックオフィスにおける実行体制
- 社内ガバナンスの仕組み
- 成長戦略
以上3つの課題を発見できたと述べ、「IPO水準の体制を整えることによって、社内全体のレベルが上がっていくことを学ぶことができた」と語っていただきました。また、「ロードマップを活用することにより精度の高い成長戦略を築いていきたい」と述べ、今後の展開に期待が集まります。
株式会社オーリック 様
データ分析と自社の強みで事業展開 IPOで戦略を学ぶ

【事業内容】
九州・山口を中心に酒類事業を行う株式会社オーリック様。九州シェア率トップを誇る酒卸企業です。コミュニケーションツール・文化創造のツールとしてお酒を捉え、地域に根ざした活動を行なっています。
【自社の課題と本プロジェクトを受けた成果】
本プロジェクトを受けての気づきとして、
- データ分析の重要性
- オーリックの武器の再確認
の2点を挙げられました。「データ分析は事業のすべてに通じる重要なもの」と述べ、分析に力を入れた結果、現状把握と来期にやるべきことが見えてきたと語ってくださいました。また、自社そのものについて向き合った結果、何を武器に事業を展開していくか、強みの再確認ができたとのこと。コーポレートガイドや営業・商談ガイドなど、武器を社内で共有して、より柱を強固なものにしていくと語りました。
株式会社国分ハウジング 様
IPO水準の内部管理体制によりお客様も社員も安心できる企業へ

【事業内容】
鹿児島を拠点に九州の家づくりを支えるハウスメーカーである株式会社国分ハウジング様。時代と共に多様化する家づくりに応えるためにマルチブランドを展開し、多様なニーズに対応できる体制を整えています。
【自社の課題と本プロジェクトを受けた成果】
安全・内部統制面に特に力を入れ、「ショートレビューでは、初めは課題だらけでしたが、一つ一つ潰していくことで前に進んできた」と語ってくださいました。また、「前向きな内部監査」をキーワードに、社内体制について若手社員と議論を交わすなど、内部統制の重要性について社内の認知を深める活動を行なっているとのこと。また、当年度はHRに関する支援を受けており、「この会社にいたら生活には困らないと、社員の家族にも安心してもらえる会社になりたい。」とワークライフバランスにも注目し、事業の更なる拡大と過ごしやすい環境づくりの両立についてお話しいただきました。
株式会社さかうえ 様
いつでもIPOできる社内体制を目指して 組織強化の道標としてのIPO

【事業内容】
農畜産物の生産から流通・販売まで一手に担っている株式会社さかうえ様。地域社会と農作物を取り巻く環境にも目を向け、里山牛事業にも力を入れています。
【自社の課題と本プロジェクトを受けた成果】
本プロジェクトに参加し見えてきた社内の課題として、内部統制の強化をあげられました。組織強化の道標として、上場企業やIPOを目指す企業の経営のポイントを自社に照らし合わせてチェックを行なったと語ってくださいました。「潜在化されていた課題が顕在化され、次に何をすれば良いか道筋を立てられるようになった」と述べ、今後の展望について、「いつでもIPOできる社内体制の構築を目指したい」と語ってくださいました。
株式会社TSグループ 様
「現場にも理想の上司をスマホの中に」IPOを事業展開の道標に

【事業内容】
建設施工業を20年行い、リアルタイムで建設業を見つめる中で、技能者育成の重要性に気づき、育成プログラムシステム「カシスト」を制作する株式会社TSグループ様。「現場にも理想の上司をスマホの中に」をミッションに掲げ、ベテラン職人の持つ技術をデータ化・言語化し、採用・定着・育成をアシストする取り組みを行なっています。
【自社の課題と本プロジェクトを受けた成果】
「これまで事業内容について興味を持っていただく機会があっても、投資まで進まず、次なるマイルストーンが不明確で歩みを進めることができなかった」と語る吉松氏。本プロジェクトに参加し、IPOという指標を手にいれることで、目指すべき道や改善すべき箇所が発見できたと語りました。レビューと改善を重ね、ビジネスコンテストでの大賞受賞やスタートアップジャパン本戦の出場を果たしたと報告してくださいました。さらには、2025年2月にはスピンアウトを果たし、今後更なる飛躍に期待が高まります。
株式会社ビックツー 様
「奄美の人に愛されるお店を目指して」IPO水準の内部体制へDX化で挑む

【事業内容】
「奄美の人に愛されるお店を目指して」という言葉を掲げ、食品・レジャー・園芸など多様な商品を取り扱う総合スーパー、株式会社ビックツー様。地域の物流インフラの一部を担うほどの品揃えで地域に根ざした店舗運営を行なっています。
【自社の課題と本プロジェクトを受けた成果】
本プログラムに参加して見えてきた課題として、
- 棚卸業務のDX化
- 監査体制の整備
の2点を挙げられました。「これまでの棚卸に目立った問題はないが、棚卸後の監査が制度化されておらず、今後重要な問題点が見過ごされるリスクがある」と語り、まだ見ぬリスクを削減するための取り組みとして、棚卸業務におけるバーコードの活用や、紙中心だった監査方法をエクセルに変化させ、より安心安全かつ効率的な店舗運営を達成したと語ってくださいました。
株式会社フレッシュ青果 様
流通のプロフェッショナル IPO水準の内部体制を目指し進化し続ける

【事業内容】
多種多様な商品と「1個から」のサービスで、新鮮な食材をスピーディに届ける株式会社フレッシュ青果様。流通のプロとして、お客様から信頼されるサービスを提供するべく、多様な仕入れ先を確保し、安定した食材の供給を行なっています。
【自社の課題と本プロジェクトを受けた成果】
更なる事業拡大に向け、利益計画や業務管理など、IPO水準の組織管理体制を整備していると語ってくださいました。さらに、県内で5番目にDX認定を受けた経歴を持ちながら、現在も絶えず業務の効率化と安全性の向上に取り組んでいることを述べました。従業員のエンゲージメントやワークライフバランスの実現など、福利厚生面を高める動きについても語り、今後の更なる成長に期待が集まります。
講評
プロジェクトに参加された皆様の成果報告を終え、鹿児島イノベーションベース 菊永氏、株式会社鹿児島銀行 小笹氏、運営事務局 城戸氏から講評をいただきました。
一般社団法人鹿児島イノベーションベース 理事 菊永 満氏

「上場は成長性と話題性に満ちている」と語り、「もう一度鹿児島から日本を元気に」をキーワードに、IPOが地域社会にもたらす好影響について語ってくださいました。参加された企業の皆さんの更なる活躍と邁進と共に、鹿児島全体の経済の発展に期待を込め激励の言葉をいただきました。
株式会社鹿児島銀行 執行役員地域支援部部長 小笹 康浩氏

「IPOを目指すような視座の高い方々であることを感じた。皆さんとてもアウトプットが上手い。」と語ってくださったのは、株式会社鹿児島銀行の小笹氏。上場企業の社長の特徴として、「自分の企業の長所・短所をしっかり理解しており、何をするべきかわかっている。」「経営者でありながら、投資家の目線をしっかり持っている」と語り、IPOを目指す皆さんに必要な視点を授けてくださいました。
有限責任監査法人トーマツ パートナー 城戸 昭博氏

運営事務局の城戸氏は本プログラム内のセミナーでも取り上げられた「IPOのメリット・デメリット」について触れ、「IPOは地域・社会にとってはメリットしかない。」と言い切り、IPOが地方経済にもたらす好循環について語りました。「上場した企業の従業員は給料が上がるが、従業員も社会においては一消費者。給料をもらってお金を使うことで、社会全体・経済の好循環が始まる。」と述べ、企業そのものの更なる発展に加え、地域振興の1つとしてIPOを語ってくださいました。